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地主系大家の家督相続的志向の相続対策 被相続人の所有する「分けられない資産(不動産)」は「分けられる資産(金融資産)」に置き換わる?

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大家 僧俗嫌世(そうぞく・いやよ)

首都圏近郊の農家が、必要に迫られて不動産賃貸を始めたのが約27年前。 現在は、次期相続に備え、法人化して一部の物件を法人所有としました。 「生活できればそれで十分だが、絶対に負けない大家」であり続けたいと 思っています。

ここがキモになる選択だ!!!

 スゲー! うちも真似してやってみよー! と思った方、慌てないでください。
 簡単にできるのなら、多分第4類型として教科書に載っているはずです。
 載ってないということは何かわけがあるはずです。

 私は、当時は、「やった、できた! 100点の解答案ではなかったが、添削してもらったらとりあえずうまくいったよ! やっぱ、考え方は間違ってなかったんだよねー。俺ってやっぱ天才かも...」と的外れな考えで1人で悦に入ってました。
 しかし、4年たった今になって振り返ってみると、やろうとしない方も多くいるだろうなぁと思うようになりました。
 
 被相続人は、土地の売却代金を受け取りますが、そのうちの約20%は譲渡所得税です。先祖伝来の土地なので、売却額の5%しか取得価額としての控除ができないのです。また、もう20%はマンションの残債の一括繰上返済で消えました。さらに、約2.5%をコンサルティング料として税理士法人に支払いました。
 
 手取りは、半分強です。これ、ふつう選択するでしょうか?
 たぶん、「損だ」と感じると思います。

 

「地主系」大家としての「ねらい」

 税理士法人のコメントは、「うまくいきました。これで、相続までの時間が長いほど効果が出てきます」というものだったと記憶しています。
☆これについては、別稿で投稿予定の「フローの税金・ストックの税金」をご参照ください。
 
 でも、私のねらいは、実はそこではありませんでした。というか、そこもねらいですが、別のねらいがあったのです。
 
 今回、この方法がとりあえずうまくいきそうなのは、被相続人が長命だからであって、もし急にお召しがあったら、完全にOUTでした。その点は、ラッキーだったと思います。
 被相続人も「やっと肩の荷を下ろしたようだ」と言っていました。
 
 税理士法人は、おそらく知っていて説明しなかったのだと思いますが、私がねらいとしていたというのは、「これで、いちばん重たい資産は未来永劫相続税の対象となることはない」ということなのです。しかも、その支配権は、株式を保有するものが持つわけですから、この扱いさえ間違えなければ、半永久的に「持たないまま、持っている」ことができるわけです。

 蛇足ですが、土地の評価は路線価と法による評価減等で決まるので、所有者が意図的に変えることは一般にたいへん困難です。これに対して、株式評価は、理論上、財務戦略しだいで合法的に上げたり下げたりすることができます。また、株式移転も、一気に全部でもいいし、計画的に少しずつ贈与などで後継者に引き継いでいくこともできます。移転についての選択肢が大きく広がることになるのです。計画的に行えば、法人化した部分については余分な出費を抑えることができます。

 これが、最大のメリットだと思うので、たとえ被相続人の手取りが半分ほどであっても、「Xデイ」がすぐに来てしまって、今回は持ち出しになってしまったとしても、やる価値があると踏んだわけです。
 
おわかりでしょうが、今回の移転でもし凹んでも、次回以降はそれがなくなるということです。

 ところで、この手法は、当家のメインバンクがキーとなって出来上がりました。そのため、「これ、メインバンク目線で組み立てられてないか?」という疑問がありました。
 ただ、被相続人の年齢と「+3年+α」の時間を考えるとじっくりと検討はできません。

 とにかく、こちらのやりたいようにはなっているとおもったので、「即断即行」でとにかく実行はしました。

 その後、「このメインバンクはこれからも信頼してつき合っていっていいのか?」という疑問を解決するため、ある伝手でつながった、かなり遠隔地の税理士(もちろん面識なし)に全資料を公開し、「案件を特定されない範囲ならこの資料は自由に使用してもらって構わないから、どう思うか評価してもらえないか」と依頼しました。

 その結果、「この短期間でここまでよくされたと思います。やはりこれくらいのスピード感でやらないとほんとうは意味が薄れるんですよね。この何倍も時間をかけてもここまで行かないおうちも多いんですよ」というコメントを頂戴しました。
(メインバンク合格でよいだろうと思いました)

 おまけですが、些少な手土産を用意していったところ、「それでは、お返しに参考になる本を差し上げましょう」とおっしゃり、薄めの新書を1冊いただきました。
 実は、ワタシ、その本持ってました。「相続財産は法人化で残しなさい」という本でした。
 

公開日:2017年11月16日

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