消費増税を迎えて「プレミアム付商品券」から思う「割増しか、割引きか」の価値観 ~結果としての節税あれこれ~

職域年金受給1年前となり、やっと「少しはラクになるかな」と、一息吐いています。サラリーマン大家→個人事業主→会社設立と、書けば順調に見えるものの、「いつもカツカツ」で生きてきた気がします。これまでの経験を、節税面から振り返ってみようと思います。
消費税が10%になり、増税分還元だの、キャッシュレスにすればさらにお得だの、いろいろ騒がしい情報が飛び交っています。
が、そもそも「還元」ということは、最初には相当額が必要であり、即時か後からかは別として「割引かれる」ということ。
一方、「給付」とか「助成」とかは、足りない分を補って貰ったりすることで、ちょっと性格が違います。
<39> 25%割増しか、20%割引きか
前回(第<38>回)触れた「プレミアム付商品券」ですが、たまたま消費増税の年に当たったということで、まあラッキーではありましたが、どういう経緯だったのかをおさらいしておきます。
通常は所得税ゼロ
筆者は、半官半民の嘱託員時代を経て、完全に野に下って8年目になるわけですが、個人事業では6年間所得がありませんでした。不動産収入はありましたが、一般「営業等」の事業が赤字続きで、通算すると所得税が発生しなかったわけです。勤め人であれば予め用意されているデスクやパソコンを自前で準備でせねばならず(経費扱)、「ま、こんなものかな」という感じです。
なお、この時の国民健康保険料は年間16万円程度、住民税は9千円程度(年額)でした。
固定資産の売却で分離課税発生
2017年に個人事業で運営していたワンルーム区分物件を売却。分離課税のため損益通算ができず、所得税が発生。税額は約17万程でしたが、収入(譲渡所得)は約80万円。社会保険料も住民税もそこを基準に計算されるので、2018年の健康保険料は27万円に跳ね上がり、住民税も7万円弱になりました。
職域年金の受給スタート
もともと、物件を売却したのは、2018年から職域年金の受給が始まるのと、同じく2018年中に国民年金の任意加入払込も終わりとなり、所得控除枠がかなり狭まることが予想されたためです。
2017年までと同じ収入があったら、
・さらに年金収入が加わり、
・国民年金は納入完了で(経費支出が減り所得控除枠が狭まる)、
・かなり所得が増えてしまい、また新たな節税策、
と考えていかなければなりません。
法人所有物件で抱えていた債務を軽くすることや、10年以上持ち続けていたものの、効率が悪かったり、立地の面からあまりパッとしない物件を整理することも考え、2物件を売却したのです。
(参考/第<09>回「コンサルを受けに行ってきました」)
2018年が損失申告寸前にになったわけ
年金の受給は、個人事業の年度(01~12月)の半ばからでした。一方、個人の消費はダウンサイジングすることなく、以前と同じように使っていましたから、
・家賃収入は2物件分が減る
・年金受給は事業年度丸一年分あるわけではない
わけで、そりゃ収支悪化で赤字気味になろうというものです。
しかし、翌年(2019、つまりこの記事を書いている今)からは年間満額の年金が入ることが分かっていましたし、国民年金の年間20万円の支出もなくなるわけだし、次年度以降「何とかなるかな」と思ったわけです。
2019年の今
住民税の均等割すら課されない低所得のお蔭で、プレミアム付商品券ゲットになったわけですから、もちろん今年(2019)の住民税はゼロ。
では、過去5年間の住民税を振り返ってみると、2015~2017までいずれも9千円程度でしたから、5年間の平均は19,000円(年額)足らず。昨年(2018)のいきなり7万円にアップが如何に重かったかということです(以前書きましたが「住民税前年比7.71倍!」)。
ちなみに、国民健康保険料は今年(2019)が2万円ちょっと。
2017年が16万円弱、2018年が27万円弱(「国民健康保険1.53倍!」)でしたから、平均で15万円弱。
まあ、自分の健康のことですし、年間15~16万円程度の国民健康保険料を納付できるくらいが、「健康で文化的な最低限度の生活」(憲法第25条)を送るために必要なのでしょうかね。
文化的かどうかは別として、3割負担で医療機関に、65歳からは1割負担で介護保険のお世話になる、といった「切符(権利)」の値段、そしてそれを払えるだけの「稼ぎ」が必要ということです。
(その点、今の国民年金では全然足りないのは自明ですが、ここではそのことには触れません。)
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ところで、話の矛先が変わりますが、今回のコラムを書いている最中に世の中の消費税が10%にアップしました。
とあるコーヒー喫茶チェーン店に入ると、レジの表示に
・お持ち帰り8%
・店内飲食は10%
とあり、店員さんがいちいち確認を取っています。たまたま空いている時間だったので、ひねくれるつもりはありませんが、
「持ち帰りの精算をした後、知り合いが店に入ってきて、おう、ちょうど良かった、急ぎの話があるんだけどそこのテーブルで。」
となった場合はどうなるんですか? と質問しました。
「支払いが済んでしまっているので、なかなか難しいです。」
と応え、それ以上は突っ込みませんでしたが、「そうだろうな」とは思いました。
筆者が想定したのは次のような場合です。
同じ会社同じ課に務めるA、Bの社員がいて、Aさんは午前中出張、Bさんは午後から出張を控えている。
早めに昼食を済ませ、テイクアウトのコーヒーをすすりながら午後の出張準備をしようとBさんが思っていたら、Aさんがコーヒー店に入って来た。
「いやあ、午前中の出張が目一杯かかっちゃってさあ、昼時になったからここで食事してからオフィスに戻ろうと思って寄ったんだ。」
と言うAさんとは、明日の会議に出す資料の確認箇所があったことを思い出したBさん、これ幸いAさんのテーブルで打ち合わせを始めた。
さあこの時、昼時の混雑を放り出して店員がAさんに近付き、
「お客さま、テイクアウトで支払いを済ませられたので、お連れの方と同席とは言え、店内での飲食はご遠慮下さい。」
などと監視がましく「税『法』上、まっとうな」注意を言えるだろうか、ということです。オフィス内の同業者なら、まあ「後で」ということも可能ですが、これが何年か振りでバッタリ会った旧友で、
・片や出張前の隙間時間
・片や電車の発車待ちの僅かな時間
だったりしたら、名刺を交換して「後で連絡」をしようにも、名刺を持ち合わせていないことも、筆記用具を持っていないことも有り得ます。
というより、注意などされた日には、
「うっせえな。ちょっとくらいいいじゃないか。」
という感情の方が先に立つでしょうし、店も些細なことでリピーターを失うような「小言」は、グッとこらえるのではないでしょうか。
街中のコンビニで買い物をしてみますと、ビール(10%)とつまみ(8%)が混在しても、ちゃんとレシートで棲み分けが為され、さらに「キャッシュレス還元」などという項目もあって妙に複雑化している印象ですが、理解はできます。
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割増しか、割引きか
で、冒頭の「プレミアム付商品券」に話は戻って来るのですが、4千円で商品券5千円分が入手できる。
用意すべき額は4千円ですから、買物の際は25%アップの割増しです。10kg4000円の米を食べているが、商品券のプレミアム分のお蔭で12.5kg買うことができた。何日分の食事になるかは人それぞれでしょうが、少なくとも年金だけでカツカツに生きている人にとっては、1週間でも2週間でも生き延びられた、ということになります。
一方、5千円のものが商品券を経由すると実質4千円で買えちゃう。20%の割引じゃん、ラッキー! と捉える人もいるでしょう。米の多寡や生き死にと比べてしまうと、何ともお気楽な不謹慎さを拭えませんが、筆者などは「たまたま」の税制に基づいて降って湧いた商品券ですから、明らかに「割引」感を感じるスタンスです。
がしかし、額の大小はありますが、「儲け」とか「利回り」とか「お得」とかいった経済行動の根っこに、この「割増しか、割引きか」の判断が潜んでいます。
コンビニのキャッシュレス還元も、初めに電子マネーにチャージする元手が必要です。レジで決済するその場では、瞬時に還元されていますが、その2%の還元を保障できるのは、予めプリペイドされている残額が担保となるからです。
割高な賃貸に住んでいるのは分かっているが、毎月年金を使い切る生活で引っ越し費用も出て来ない。
そういう高齢の独居老人が増えていますが、例えばこの人たちが、
・大家さんに交渉して6万円の家賃を半年間4万にして貰う。
・毎月2万ずつ12万円貯める。
・家賃4万の物件に引っ越す(費用12万円)。
・転居先から、毎月2万ずつ半年かけて元の大家さんに返済する。
なんてことができるでしょうか? 頭(理屈)では分かっても、とても現実的ではないでしょう。
物件取得のための「種銭」はどうでしょう? このサイトをご覧になる方々には「お手のもの」だと推察申し上げますが、「足りなきゃ融資利用」「金利は?」「担保評価は?」など、あらゆる経済活動の根幹に、関わる利害関係者のそれぞれの立場で「お得、割増し(プラス)」感と「安い、割引き(マイナス)」感が錯綜します。
論ずるべき事は多々あると思いますが、筆者がワーキング・プアや老後破産の話題に興味を持つのは、
・底辺にいると、割増し(プラス)のありがたみを感じ
・余裕があると、割引き(マイナス)のお得感を味わう
スタンスの違いがあるからかと、あるいはそう考える価値観があるからなのかもしれません。
自治体から来た「プレミアム付商品券」のお知らせ封筒を、改めて見入ってしまったものでした。
公開日:2019年10月2日
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