「兼業禁止」規定での懲戒処分を受けないために・・・サラリーマン大家が目指すべきは無借金家賃年収500万~結果としての節税あれこれ~

職域年金受給1年前となり、やっと「少しはラクになるかな」と、一息吐いています。サラリーマン大家→個人事業主→会社設立と、書けば順調に見えるものの、「いつもカツカツ」で生きてきた気がします。これまでの経験を、節税面から振り返ってみようと思います。
投信や株に比べ、手を染める方が圧倒的に少ない不動産投資ですが、分離課税による売却益を受け取るのと違い、税引き前の経費を遣り繰りする部分、つまり「事業」の側面があるのが単なる投資と違うところです。そしてそのことが、時に「兼業禁止」規定に引っかかり、懲戒処分にまで発展することも。今回はそんなコワイお話。
<03>サラリーマン大家は無借金家賃年収500万
前回(第02回)記事の最後に、
> 家賃年収が500万円くらいまでは何とでもなるんじゃないか
と書きましたが、そのことについてもう少し書いておきます。
実は、勤め人でも公務員の場合、本業以外の収入(まさに不動産賃貸など)が500万円以上ある場合は申告しなさい、という決まりがあります(人事院規則、この場合の「申告」は税務署ではなく、職場の上司へ)。
ご存じと思いますが、公務員には「職務専念義務」という縛りがあり、早い話が、
「500万円以上の収入を得るレベルになれば本業が疎かになるはず。」
と決めてかかっているわけです。
と言っても、税金泥棒呼ばわりされる公僕といえど人の子ですから、
「親がアパート経営をやっており、相続が発生して今度はそのアパートを公務員の傍ら引き継がなきゃならない。」
という場合もあります。
なので、管理業者にちゃんと任せるとか、上司の承認を得れば認められるケースもあります。
これについては、2016年1月に、佐賀県の消防士さんが減給の懲戒処分になり、その後(2016.8)さらに懲戒免職になった事例がありますので、
検索キーワード/消防士 不動産収入 懲戒免職
などでネットを調べてみて下さい。
筆者として書き加えておきたいポイントは、「年収」500万円であり、「所得」が500万円ではないことです。
「経費を引いて、ローンを返したら150万も所得が残るかどうか」
という場合でも、家賃年収が500万だったら「上司の承認」という手続き段階の対象になる点が要注意です。
問題は、
「では、正直に情況説明をして違法性が無いことを主張すれば、すんなりすべてOKか」
と言えば、必ずしもそうでない点です。いやらしいのが、
> 承認を得れば認められるケース「も」ある
という、判断はその時その時で下される可能性を残した「揺れ」が有り得る部分。
国家公務員や自治体職員の組織は、「親方日の丸」の別(蔑)称の通り、巨大で融通の利かないところです。すると、
・係長・課長さん辺りが部下の不動産投資を知ったとする。
・決まりに照らして勧告をする。
・手続きをする。
・ところが人事や経理などが杓子定規にダメを出す。
・上意下達的な係長さんレベルだと課員・係員を庇護する姿勢に欠ける。
結果的に、言ったがために、痛くもない腹を探られ、偏見の目を向けられ……、ということになります。
さらに、非常勤とか臨時職員などの存在も含めると、可否の判断基準の優先順位がハッキリしない、という問題もあります。
実際、サラリーマンが区分ワンルームを買ったとしましょう。平日昼間の勤務の合間に、募集業務、物件内見案内、クレーム処理などできるわけはなく、賃貸管理・建物管理の業者に委託料を払って外注するのが普通です。
では、そうした委託業者に任せていて、本業が疎かにならないようにしているから「何の問題もない」と考えるかは「微妙」です。
ある自治体の「非常勤職員就業規則」というのを実際に見せて頂いたことがありますが、一見、
「その職場に於いて職務に専念できていれば、他(ダブルワークなど)で何をしていようが関知しない。」
というスタンスはハッキリ読み取れます。
しかし、そのもう一つのキャッシュ・ポイントがどんな有りようであるかは、「職業選択の自由」であり「個人情報の保護」の点からも明記はできない性質のものです。
すると、所属長の勤務評定などで「仕事に身が入っていない」とでも判断されるまでは発覚しないのが現実でしょう。
となれば、逆にある資格・免許が必要な職種の急募なんて場面では、家賃年収500万円を得ていながら採用されてしまう、という場合だってあるでしょう(急募という採用側の「背に腹」事情で、収入等の事前調査が不十分なまま合格の判定が出されてしまう)。
では、そうして「うまく潜り込めた」人を採用した側が、特段不都合を犯しているわけでもない職員に対し、ある時偶然500万以上の家賃年収があることを理由に、何らかの処分をするかどうか?
消防士さんの例では、当初減給10分の1(3ヶ月)と半年以内の改善命令だったのが、改善されていないと判断され懲戒免職になっています。でも上述のように、
> 業者に委託料を払って外注するのが普通
でスタートしている場合はどうなのか?
筆者は、結局のところ、
・年収500万円の本業外収入事実があるか
・承認を得ているか
・業者委託の手続きを取り、本業が疎かにならないようにしているか
・相続などのやむを得ない事情か
などの項目は、「恣意的」とまでは言わなくとも、実際には、
「その時の、力関係、必要度(要職にある、「背に腹は代えられない」的な)、黙っていれば分からない、関係者の情況理解、心証、周囲のやっかみから密告される、等々に左右される。」
のが現実ではないかと考えています。事実、消防士さんの報道記事では
> 住民からの通報を受けて発覚
との記述もあり、言ってみれば「やっかみ」とか「公務員バッシング」などの反発、もっと踏み込んで言及すれば、本人が吹聴してるとか、あまり人付き合いが良くない、とかも関係するのじゃないかと思います。(ただし、あくまで筆者の想像です。)
> 父の家業(不動産業)の手伝いで不動産の購入や賃貸をしていた
との報道もありますが、予想するに、
「いやあ、父親が相続対策で名義を私(消防士)にする、というもんだから仕方なく、立場上あまりよろしくないんですけどねえ。」
としながらも人当たりの良い世話好きな好人物だったら、利害関係もない「住人」というだけでリークするものかどうか?
つまりは、「今日は休暇を取って物件視察だ」などと、周囲の見る人が見れば、「税金から給料貰ってるくせに副業にご熱心なことで」と反発を招きかねない言動があり、発端は「自分の蒔いた種」ではなかったのか、とも思うのです。
逆に、採用側(行政や自治体)から見れば、いろいろ難癖をつけて処分を実施し、とにかく「見せしめ刑」を断行すれば、綱紀を糾す、住民感情への対応、今後の職員への示しが付く、等々の「効果」を狙ったとも考えられます。
私のサラリーマン大家時代を振り返るに、ただひたすら粛々と仕事をしている分には、賃貸収入物件を取得してもバレないと思いますし、規模が大きくなっても、言わなければ分からないというのが現実だと思います。
ですから実際には、問題なく業績・結果を出している勤務状況であれば、特に上位部署から調査でも廻ってこなければ、わざわざ自分から申告したり承認を得たりしなくても良いと思います。(やぶへびの可能性)
入社早々の研修で就業規則のそんな部分まで説明することはあまり考えられませんし、指摘されたら「あ、知りませんでした」で対応を始めても遅くない、と個人的には思うのです。(あくまで筆者個人の考えです。このコラムに書いてあったと、万一読者の方が何かトラブった時の根拠にされても、責任は持てませんのでよろしく。笑)
ということで、公務員を含むサラリーマン大家の皆さん、ダマテン時代はローン無しの家賃年収500万を取り敢えず目指しましょう。
月6万家賃(年72万)7部屋で504万、固定資産税を含む経費が1件につき年24万掛かるとすれば、手取り336万円。勤め人時代にそれくらいの規模が実現できれば、その無担保7件を元手にさらに借入、物件取得、収入拡大は容易ですから、早期リタイヤも怖くない段階になっているでしょう。
また、336万から、セミナー参加費、研究図書費、携帯電話代、会計ソフト代、などなどを差し引いて290万まで所得を落とすことはさほど無理なく達成できるでしょうから、リタイヤしても個人事業主控除内に収まって税金は掛かりません。
公開日:2017年8月17日
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