アパート経営での損益分岐点の考え方!減価償却を使いこなし節税とは?

職域年金受給1年前となり、やっと「少しはラクになるかな」と、一息吐いています。サラリーマン大家→個人事業主→会社設立と、書けば順調に見えるものの、「いつもカツカツ」で生きてきた気がします。これまでの経験を、節税面から振り返ってみようと思います。
今回のコラムは、具体性に欠けて焦点のはっきりしない文章ですが、額の大きい「借入、減価償却、税金」をうまくコントロールしましょう、という話です。
ただ、読者の皆さんにしてみれば、現金買いの方もいるでしょうし
(つまり借入なし)、ワンルーム物件だと減価償却費も知れているし、法人を作れと教唆めいたことも書けないしで、自分でも論点が曖昧だな、との後味を感じています。
ご容赦いただきつつお読み下されば幸いです。
<21> 借入と減価償却と税金と
初めに補足です。前(第<20>)回のコラムで、もしかしたら、
お前(=筆者のこと)は、第<00>回で、
> 税引後の手元資金が多い方が、今後の投資拡大に有利
と書いているが、外貨定期預金の3カ月もので1.7~1.8%の金利商品もあるから、そっちとの比較はしたのか?
とでも突っ込みを入れたくなる方がいらっしゃったかも知れません。
> 検討項目は多岐にわたります。
と書きましたが、筆者の場合は、他行宛振込手数料無料枠が優先順位として高く、今のところ新生銀行が一番有利です。
これも、預金残高から導いた単純な比較(ただし外貨を含む)ですが、2年半前(2015年後半)雑誌の『日経トレンディ』には、住信SBIネット銀行で証券口座を開けば、銀行口座と紐付けてもっと有利な他行宛無料振込回数枠を貰える、という記事がありました。筆者も一度は申し込みかけたのですが、ちょうどマイナンバーが施行される直前で、手続きに手間が掛かりそうでそのままになって、しばらく放っておいたら、
> これも100万から30万に緩和されたのは2016年頃の話(前(第<20>)回)
となったわけです。
次いで、毎日満期が来る(1日2本ずつ14日間)「事実上の普通預金」で流動性が高いという点を評価しています。ネットを調べれば、例えば、「銀行インフォ」などのサイト
http://www.ginkou.info/
で、「振込・ATM/手数料比較」とか「外貨定期預金金利ランキング」などをまとめてくれていますので、読者の皆さんもご自分なりの「使い勝手」で、金融期間・金融商品をお選びになればいいのかと思います。
なお、シリーズ・タイトルの手前、1円1¢の節税を話題にしたわけですが、知り合いの読者の方からは、
> ・切手代(金券ショップでまとめ買いしているので3%OFF)
> ・印紙代(金券ショップでまとめ買い 1%OFF)
> ・リフォーム時の設備(建材を大手家電売り場でまとめ買い 10%のポイント)
> ・固定資産税、不動産取得税(nanaco払 1%のポイント)
> ・共用部の電気の変更 数百円/月
>
> 等々、大から小まで徹底的に節約しています。
というレポートも頂きました。意識・実行力共にアクティヴ・オンの状態に自分を追い込めるかどうかで、結果は随分違ってくると容易に想像できます。
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さて、本題です。
「行列のできる○○屋さん」
というような紹介のされ方をするお店というのがあります。飲食店だったり、パンや洋菓子のお店だったりしますが、そうした販売店というのは、
「むちゃくちゃ儲かって、笑いが止まらない。」
のかと思いきや、ある時点からはすべて税金に持っていかれる、という段階を迎えるのでしょうか?
原材料費、人件費、借りている店舗であれば家賃、等々を積み上げ、「○万円以上売り上げれば、あとは儲け」というBE(損益分岐点 → Break Eaven point)を超すことが先ず目標。
しかし、売れすぎると、ある段階からは税金に取られるだけ、というポイントはあるのか? という話です。
多分、通常、街中の店舗では、1日あるいは1カ月に捌ける客の数など知れていますから、BEさえ気にしていれば商売は存続するでしょう。
よく、芝居小屋は1回の興業で呼べる客はハコ(劇場)のキャパ次第だが、映画は1本のフィルムで世界中の映画館に集客を仕掛けられる。ゆえに「興行収入○億円」といった桁になる、という話があります。
第<12>回でチョロッと触れたベストセラー○万部というのも同じです。
で、おそらく現実的には、ここに比較した2点、つまり街中の繁盛店レベルと、映画や出版の爆発的なヒットが、税金対策に絡んで来る来ないの違いかな、という捉え方かと想像します。
そうした認識を得て、では振り返って不動産賃貸に目を戻すと、これはもう「まさにハコ代そのもの」の商売と解ります。
どんなに繁盛している店を抱えていても、じゃあ売り上げに比例して家賃も上げられるのかというと、そういうわけにはいきません。
定められた月家賃で、年間何ヶ月の空室に耐えられるか、というのがBEであって、立地がいいからどんどん物件を買い増そう、というわけにもいきません。
都心と郊外、商業地と住宅地、事業用と居住用など、有利不利やリスクはさまざまですが、人気物件で順番待ちの(つまり行列ができる)賃貸物件があり、多少家賃を上げても入居が決まるようなことがあったとしても、取れる家賃は1部屋分、そして通常は2年契約でその間の賃料は一定です。
こうした不動産賃貸経営の特性を考えると、家賃×戸数という予め決まった収入、しかも空室や維持修繕などのマイナス(出費)要素が織り込まれこそすれ、プラスの要素(作ればむちゃくちゃ儲かる式の)は見込めない事業というのは、「人気沸騰連日の行列に大わらわで猫の手も借りたい」といった商売ではないことが知れます。
逆に、注文は受けたいけど人手が足りず、泣く泣く断る、といった口惜しい思いをすることもありません(逆に、長引く空室で廃業に追い込まれる心配が……、泣)。
一方、こうした特性をメリットとして捉えるとすれば、その「上限がある程度見えることが、経費の予想や税金の対策も立てやすい」と言えそうです。
そうした面を物語る一例が減価償却の扱いに現れたりします。
例えば市場に出でてくる物件の内、木造一棟物などで見かけますが、
・償却年限の22年を使い尽くす頃になったから売却されるのかなあ?
といった感慨を抱かせる物件というものがあります。
所有者にしてみれば、「減価償却が取れていたからこそ旨味があったが、それが無くなると、経費や税金などのバランスが崩れ、手放した方がマシ」みたいな扱いなのだと思われます。
ところが、世の中は良くしたもので、そうした期限切れ、つまり取得しても4年しか減価償却を取れない(その代わり、1年に計上できる費用は大きくなる)物件を拾う人もいます。
おそらく、一方でSRC物件などの償却年数の長い(1年辺りの計上できる費用が少なめになる)物件を抱え、経費の積み上げが伸びない苦労を抱えている(つまり税金は多くなる)人なのかなあ、と想像したりします。
サラリーマン根性が染み着いた人間には、税引き後の給料から住宅ローンの返済を定年までかかってやっと完済する、というイメージが定着しています。
しかし、投資という観点から固定資産を捉えると、この減価償却というのは使い方次第で旨味をもたらすものです。
おそらく、自宅住宅ローンを定年までに返すことのみに汲々としている限り、発想さえも出てこないのではないでしょうか。例えばこんな考え方、
・返済も進んだし、ここらで一括返済してしまい、外れた担保を差し出して新規借り入れを引っ張り、新しい物件を増やすかな。まてよ、減価償却の額と年数をはじくと、中古一棟物で○千万円程度の物件ならGOサインだ。築年は木造17年以上のものならOK。
などという計算が、予め立てられるのが不動産事業の妙味かな、と……。
冒頭に戻りますが、爆発的なヒットといった商売とは無縁なのが不動産賃貸です。外面(そとづら)は決して派手派手しい事業ではありません。むしろある種「地味」な営みとさえ言えるでしょう。
それだけに、予め決まってしまう「取得額」(不動産事業の金言である「利は元にあり」が頭を過ぎりますね、笑)の中身をどう運用していくかが肝になりますが、額の大きさ、つまり影響大なのが、
借入、減価償却、税金
の3つだと思います。
その内、平成10年以降の取得は建物の減価償却が定額法のみに限定され、設備機器も平成28年度から定額法のみとなりました。
借入は、元利均等にしろ元金均等にしろ、利息部分は漸減していきますから、賃料収入は変わらないか低下(老朽化により賃料は下落)するにつれ、経費となる利息部分が減ります(課税所得が増えてしまう)。結果、「経費計上ができないから会計上は黒字なのに、比率的に元金部分が増えた返済が毎月変わらず続くので、手元資金は乏しい」という事態を招きます(特に元利均等で返済していると厳しくなる)。いわゆる「デッド・クロス」「黒字倒産」につながる経営の危機ですね。
そして、そうした乏しい手元資金しか残っていないのに、帳簿上は黒字なので容赦なく税金がかってきまます。だからこそ上述の木造22年経過を目処に売却というようなことにもなるわけです。
ということは、逆に、
・減価償却をうまく使いこなし、
・適切な借入を利用し、
・税金対策をしっかり施す
ことができれば、不動産経営におけるリスクは大きく軽減するということになります。
筆者が法人を作って良かったな、と思うことに、これら3つの対策の内、税金対策が個人よりやりやすい、という点を一番強く感じます。
創業当初は右も左も分かませんでしたし、無人会社ですから役員への所得の分散とか福利厚生費を使うこともないのですが、それでも税金一つだけを取り上げてもメリットを感じます。減価償却の任意償却で利益調整ができることなどはその最たる存在です。
個人事業者でも経費のこと、減価償却(個人は強制償却)のことは利かせられますが、法人を知るとその手法が広がる、という印象です。
公開日:2018年5月11日
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